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2006 年度 実績報告書

地域ケア・システムの展開過程にかんする社会学的比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 16330092
研究機関東北大学

研究代表者

永井 彰  東北大学, 大学院文学研究科, 助教授 (90207960)

研究分担者 佐久間 政広  東北学院大学, 教養学部, 教授 (30187075)
徳川 直人  東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (10227572)
菅原 真枝  東北学院大学, 教養学部, 助教授 (50359501)
キーワード地域ケア / 地域社会 / 高齢者ケア / 社会的ケア / 地域福祉 / 公私協働 / 地域社会学 / 福祉社会学
研究概要

本年度の調査研究により、自治体合併が地域ケア・システムのあり方に大きな影響を与えていることが明らかになった。まず第一に、自治体合併は自治体の広域化をもたらした。地域ケア・システムの形成にとって、その地域的な範域が大きすぎないことが重要である。というのも、地域ケア・システムの形成のためには、そこに関与するさまざまな職種のひとびとのあいだに「顔のみえる関係」を作りあげることが必要だからである。自治体の広域化はそうした関係の構築を困難にした。第二に、合併推進にともなって、財政問題がクローズアップされることになった。行財政改革ばかりに論議が集中し、地域ケア・システムの構築という政策課題に注意が向けられなくなった。第三に、現実の合併協議において、地域ケアの態勢づくりは主要な議題とならなかった。合併協議においては、旧自治体が提供するさまざまなサービス給付をどのような形で統一するかという点がもっぱら論議された。第四に、この文脈のなかで「公私協働」が強調されることになった。もともと、公私協働は合併問題とは無関係なことがらである。だが、現実には合併問題と絡めて公私協働が強調された。このことは、公私協働ということが実質的には安上がり行政の追求ではないかとの疑念を深めた。しかし、公私協働は、より本質的にみれば、行政と住民との関係そのものを変革することに直結する。従来、行政機関と住民とは、サービス提供者と受給者の関係にあった。公私協働は、この図式そのものの見直しを提起している。公私協働とは、たんに行政サービスの一部を住民に肩代わりさせるということではなく、住民じしんもまた意志形成過程のなかに参加し、よりよいサービス提供のあり方を行政と住民とが協伺して作りあげていくことを意味している。このことの実現のためには、まず行政機関の側がそうした問題意識を持つ必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 高齢者の地域ケアをめぐる今日的問題状況再考2007

    • 著者名/発表者名
      永井 彰
    • 雑誌名

      東北大学文学研究科研究年報 56

      ページ: 41-59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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