研究課題/領域番号 |
16330109
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮島 喬 法政大学, 社会学研究科, 教授 (60011300)
|
研究分担者 |
佐久間 孝正 立教大学, 社会学部, 教授 (80004117)
イシカワ エウニセ 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 助教授 (60331170)
山脇 千賀子 文教大学, 国際学部, 助教授 (40302343)
坪谷 美欧子 横浜市立大学, 国際総合科学部, 準教授 (80363795)
森 千香子 南山大学, 外国語学部, 講師 (10410755)
|
キーワード | 外国人の子ども / 就学 / 就学支援 / ブラジル人 / 高校進学 / 進学ガイダンス / 日本語 / 出稼ぎ意識 |
研究概要 |
主に外国人の子どもを取り巻く地域的環境と地域の中の学習支援体制について調査研究を行う。結果は以下の通りである。 1.神奈川県県央ではインドシナ系、南米系、中国系などの居住が見られるが、その子どもたちに対しては、地域ボランティア、大学生、有志教員などによる支援体制がつくられていて、機能している。また、学校や地域の教育委員会もその連携に加わるケースが生れている。それらの共催による「日本語を母語としない人たちのための高校進学ガイダンス」(2006年には県内5箇所で開催)などは、かなり広範囲の外国籍中学生への支援の場になっている。ただし、こうした働きかけが及ばない、反応のない子どもたちがなお多数に上るという現実がある。 2.子どもの就学、進学を促進する上で、外国人保護者への働きかけはきわめて重要である。これに比較的積極的な姿勢を示している親たちの意見や抱えている問題点について聞き取りを行なった(川崎市中心)。その結果、親たちにも超えがたい言葉(日本語)の壁があること、外国人には分かりにくい文化コードが学校にも日本人保護者世界にもあることが指摘された。その一方、出稼ぎ意識で来日・滞在している親たちは、子どもの教育に配慮を向ける余裕がなく、学校とのコンタクトも限られ、学校としても働きかけの手段を見出しえていない。 3.ブラジル人の子どものなかには、学習困難で就学・進学を諦める者が多いが、少数ではあれ大学等への進学を果たす者が生れている。そこで、そうしたケースの聞き取りを東海地方を中心に行なった。数少ないケースからではあるが、親が滞日のプランと子どもの教育計画を明確にもち、子どももこれを了解していることが、こうした「成功」の主な要因の一つであることが推定された。子どもの学習支援とならび、親へのカウンセリング・支援も重要であることが確認された。
|