研究課題/領域番号 |
16330187
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
廣嶌 忍 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (40262745)
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研究分担者 |
別府 哲 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (20209208)
三牧 孝至 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40116108)
岩田 吉生 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (20314065)
辻井 正次 中京大学, 社会学部, 助教授 (20257546)
木下 孝司 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (10221920)
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キーワード | 特別支援教育 / 自己意識 / 子ども / 通常学級 / 言語障害 / 聴覚障害 / 高機能広汎性発達障害 / ADHD |
研究概要 |
本研究課題では、言語障害、聴覚障害、高機能広汎性発達障害、ADHDのそれぞれの分野で、それぞれの担当者が分担して自己肯定感に関わる研究を遂行してきた。これら、障害種別の個別の研究成果を比較検討することで、次のような点が明らかになった。 (1)言語障害の自己肯定感は言語障害の治癒の認識に関わる問題が大きく、言語訓練等によって治癒する可能性への期待が、子どもの自己肯定感に大きく関与する。 (2)聴覚障害児は聴力のレベルとコミュニケーションの手段が子どもの自己肯定感に関与する。また、自己肯定感は使用するコミュニケーション手段とも関係が深く、これは障害認識とアイデンティティの形成に影響する。 (3)高機能広汎性発達障害児は他者との違いに気づきにくいという特性から、他者から見た自分を理解することができない。そのため、他者の評価が大きく関わる自己肯定感の形成には他障害の子どもとは大きく異なった特性をもつ。しかし、思春期になると他者とは違う自分を意識するようになり、自分を他者に会わせようとして悩む。 (4)ADHD児は服薬により問題が軽減することを経験し、行動をコントロールして生活できる自分とコントロールできない自分とを経験する。従って服薬を理解することが子どもの自己肯定感となり、服薬を通して自己を理解する。 これらの異なった特徴ともつ障害児への支援について重要になってくるのは、通常の学級のなかで、その子どもにとって重要な他者を見つけ、自己の障害と向き合っていくことであることがわかった。
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