研究概要 |
2005年度までに、本研究の重要な目標の一つであるin-situ IR&XAFS測定システムの構築は完了したが、測定に関する細かい調整(サンプル保持の方法、反応セルが発生源のノイズをIRの検出器で検出してしまう問題等解決)が必要であったので、2006年度は測定を実施しつつこれらの問題解決を行い、より完成度の高い測定システムに改良した。さらに、今までXAFS測定にはStep Scan法を用いいていたため、1測定に数分を要し、1スキャンが1分程度で測定可能なIRに見合う時間分解能が出せなかったが、XAFS測定にQuick XAFS測定法を取り入れることにより、IRと同期した測定が可能になった。測定サンプルとしては、引き続き担持Pd,Pt,Pd-Ptの各種の触媒について検討した。反応条件としては、(1)水素による還元活性化後COを吸着させ更にその吸着COの昇温還元脱離と(2)水素還元処理後さらに硫化水素による硫化を行い、その後COを吸着させ、COの昇温還元脱離を行うという2条件を用い、それぞれの条件下で得られた結果を比較検討した。まず、CO吸着時のXAFSの詳細な解析から、Pd-Pt/SiO_2,Pd-Pt/Al_2O_3の金属粒子外表面に存在する各成分(Pd,Pt)の割合を見積もることができた。更に、CO還元脱離時のIRの吸着COの全強度変化と、XAFSからえられるCO吸着金属サイトの成分比の変化によい対応が見られることを見いだし、XAFSの成分分析の有効性を確認することができた。これらの成果を国際会議(XAFS13)にて報告した。
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