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2005 年度 実績報告書

超伝導転移を利用した高エネルギー分解能マイクロカロリメータの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16360468
研究機関東京大学

研究代表者

中沢 正治  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00010976)

研究分担者 高橋 浩之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70216753)
藤田 薫  東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (60401147)
キーワードスペクトロスコピー / 超伝導体 / 量子計測 / 位置敏感型放射線検出器 / X線 / γ線 / 蛍光X線分析 / TES
研究概要

本研究は、昨年度より開始されており、エネルギー分解能の点で極めて優れた超伝導転移端温度計(Transition Edge Sensor TESと略す)を用いたX線検出器の開発を行うものである。昨年、1個TESが破損したが、今年はIr-TESとIr/Au-TESについて動作を確認し、放射光での実験も実施できた。
まず、第一に高エネルギー分解能にするためには雑音(Noise)が少ない必要があるが、従来TESには、excess noiseとよばれる理由不明な成分がかなりの割合を占めていた。TFN(Thermal Fluctuation Noise)を導入した理論的な説明をIr/Au-TESについて拡張しこれで説明できた。
次に、Ir-TESについてであるが、安定性や動作抵抗を高くできるなどのメリットがMo、Tiに比べてあるが、製膜が難しく、不均一な熱伝導性のためによい成果が得られなかった。このためIrセンサーとAuセンサーを二重膜にバイレイヤ構造にして、伝導率を均一化したり、センサーの数を増やし、1個当りの面積を減らす多ピクセル化を試みた。
この方針に基づき、Ir/Auというバイレイヤ型を試作したところ、超伝導転移端の特性が極めてシャープになり改善が見られた。5.9KeVのX線に対するエネルギー分解能もFWHM=9.4eVになった。これを筑波の高エネルギー加速器研究所(KEK)の放射光装置で、8KeVのX線入射に対する蛍光X線分析を行い約1桁エネルギー分解能のよい出力蛍光X線を得た。
また、Ir-TESについて多ピクセル化して、X線の入射位置が測定できることを示した。来年は更なるエネルギー分解能向上とともにAu/Ir/Auなど三重膜にもトライしてみる予定である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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