研究課題/領域番号 |
16405017
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (40172978)
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研究分担者 |
大澤 秀行 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60027498)
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
大井 徹 森林総合研究所, 関西支所・生物多様性研究グループ, グループ長 (10201964)
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キーワード | マカク / 系統地理学 / 東南アジア / Macaca mulatta / Macaca fascicularis / 進化 / 分布 |
研究概要 |
インドシナ半島の5カ国で、下記のよりなマカクに関する調査を行った。また10月にバンコクで本計画の分担者・協力者も参加した国際シンポジウムを開催し、現状と分析中間結果について発表・議論した。ワークショップで研究方法に関する実習を行った。 1.ベトナム:南部海岸地方でカニクイザル3群を確定し、うち最南部のカマウ省で捕獲調査を行った。中部(北緯15-17度)海岸地方では、カニクイザルとアカゲザルの同所的分布情報が得られた。ラム・ドン省のDaLat大学農林学部スタッフと協議し、共同研究として同省を中心とする中西部高原地方高地地方のマカク分布に関する調査を開始した。 2.ラオス:ナショナル大学生物学科スタッフ、栗田博之(協力者、大分市教育委員会)とともに中部から南部にかけて巡回調査を行った。アカゲザル、ベニガオザル、ブタオザルが主で、カニクイザルは最南部(北緯15度以南)にしか分布していないと思われる。由来の明確なペットマカクより遺伝資料を収集し、mtDNA塩基配列の予備的分析を行った。 3.タイ:西部、南部で綿密な巡回調査を行った。そのうちラノン県のアンダマン海に点在する島々で、主としてミャンマーにしか分布しないアウレア亜種(カニクイザル)を見出し、さらに南部他地域でも基亜種との混血らしい個体を多く見出した。西部カンチャナブリ県でカニクイザル1群の捕獲調査を行った。 4.ミャンマー:ヤンゴン大学動物学科と京都大学霊長類研究所との間で学術交流協定を締結し、本格的な調査を可能とした。中西部で広域巡回調査を行い(分担者の大井)、分布・生息実態情報を収集するとともに、4箇所で7群以上のアカゲザルを見出し、これらから遺伝解析用の資料を収集した。ヤンゴン大スタッフがカニクイザルの調査を継続している。 5.バングラデシュ:予備調査として、研究協力校のダッカ大学動物学科が文献調査を行い、東南部・東北部の山岳森林にマカクの分布を認めた。ダッカ大学動物学科とジャハンギルナガール大学生物学科スタッフとともに、ダッカ市内および近郊の町で人と共存しているアカゲザルについて予備調査を行い、集団動態と遺伝特性の調査を開始した。
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