研究概要 |
本研究では,進展する情報社会に向けた「情報学的なものの見方・考え方」を育てることを目的とした,小学校新教科のカリキュラムを開発し,普及のために教科書の形態に表現することが目標である。 具体的には,2年間の研究期間内に,以下の3点について明らかにできた。 (1)小学校段階での情報教育カリキュラムについて調査し,情報学的な視点で分類・整理し,系統性を確保する。また,日本の学習指導要領において,各教科の学習内容としてどのようにこれらが実施されているかを分析し,過不足について指摘する。 (2)小学校新教科「情報科」の教育内容を,発達段階を考慮しながら決定する。これを小学校3〜6年に配置するために,学習指導要領の形式にならって記述する。 (3)このカリキュラムの一部を具体的な教科書のモデルとして表現する。 平成16年度は,情報教育に取り組む国内の先駆的実践者をチームとして組織し,学校現場の教員の実践知を抽象化するために,まずは教科書を想定した単元開発を行った。平成17年度は,これらの単元の学習目標を列挙し,その関係性を明確にすることによって学習指導要領の形式に抽象化していく方法を採った。その結果,以下の4カテゴリからなる観点が見出された。 A)情報技術・情報社会の発展と期待される資質の観点(コンピュータ・リテラシー,プレゼンテーション,情報モラル,メディア・リテラシー) B)他教科との重なりや連携の観点(国語,社会,理科,算数,図工) C)中学・幼児との連続性の観点 D)教師の力量・研修・体制の現実性の観点(初期指導,学校カリキュラム,教師の力量向上)
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