本研究の目的は、日本語入門期の学習者が、日本語学習過程や成果の記録をデジタル化して作成したマルチメディア型のポートフォリオをWeb上で構築し、それを視聴する日本人との交流を促進するコミュニティーサイトを開発することである。1年目は、日本語入門期の学習内容を定め、教材化する作業を行った。教材はワープロで作成し、PDF形式で保存、そのあと、音声データなどをのせるという順序で作成した。学習者は、教材を印刷したもの、およびコンピュータ画面での学習を行い、Activityとして実際の活動を通してポートフォリオの作成に入ることになる。 本研究における日本語入門期とは、日本語学習開始から4週間ぐらいを想定している。この期間の学習内容を、Unit 1と呼ぶこととし、現在のところ次のような項目を考え教材化を行った。 Unit 1 熊本の生活に慣れる Activity「はじめて話す」:はじめて日本人と話す Activity「歩いて学ぶ」:大学の中、外を歩く、乗り物に乗る Activity「買いもの、注文」:レストランやお店で買ったり注文したりする Activity「自分の国について話す」:自分の国について説明する こうした活動のおのおのについて、5セットの資料、たとえば、「はじめて話す」では、「自己紹介をする」「日本人を紹介される」「日本人に質問する」「電話番号やメールアドレスを交換する」「開講式にでる」などを用意、それぞれにサンプルとなる教材を作成した。これらについては、さらに次年度、実際に授業の中で使用し、さらに改訂を続ける予定である。
|