研究課題/領域番号 |
16500646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
小玉 芳敬 国立大学法人鳥取大学, 地域学部, 助教授 (50263455)
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研究分担者 |
岡田 昭明 国立大学法人鳥取大学, 地域学部, 教授 (70093581)
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キーワード | 鳥取砂丘 / 古千代川の埋没谷 / ボーリング調査 / 潟町砂丘 / 妙高火山 / 発達史地形学の視点 / 遠州灘砂丘 / 動的地形学の視点 |
研究概要 |
鳥取大学乾燥地研究センター敷地内の砂丘地において、地質ボーリング調査を実施し、小玉ほか(2001)・小玉ほか(2002)が推定した「鳥取砂丘の地下に埋没する古千代川の谷」の存在を確かめた。推定流路を横断して4本のボーリングを行い、うち2本は河谷の中心付近に、1本は左岸側斜面に、残りの1本は左岸側の河谷脇にねらいをつけて掘削した。2001年に実施された比抵抗2次元電気探査の結果も加味すると、谷底標高-7m、谷幅180m、谷の深さ30m以上の河谷が、砂丘地の地下に埋没していることが明らかになった。 石川県の内灘砂丘から新潟県の潟町砂丘にかけて現地調査を実施した。上越高田平野の北端に位置する潟町砂丘は、関川河口から海岸沿いに北東方向に離れるに従い、その平面形態が大規模となる。このことは、静岡県遠州灘砂丘において天竜川河口から東方に離れるに従い、砂丘の規模が大きくなる特徴と類似する。遠州灘砂丘では現世の海岸堆積物の粒度組成と背後に広がる海岸砂丘の規模とが良い対応関係を示した。潟町砂丘においても同様に海岸堆積物を調べたが、潟町海岸の堆積物の中央粒径は1mm以上と粗く、砂丘の材料としては不向きであった。潟町砂丘の形態特性を理解するには、潟町砂丘の骨格をなす古砂丘形成当時の状況を把握する視点が必要となる。流域における河床砂、段丘堆積物、妙高火山堆積物、古砂丘砂などの鉱物組成分析の結果と高田平野の地形発達に関する従来の研究成果から、妙高火山のひとつの噴火活動が、関川を砂の暴れ川に変え高田平野を数10mにわたり埋積した実態が明らかになった。この名残が平山段丘面に相当する。火山活動の沈静化に伴い関川は急速に下刻して、多量の砂を海岸部にもたらした。この砂が材料となり、放物線型の海岸砂丘が短時間のうちに形成されたものと考察された。潟町砂丘の形態はこの放物線型の砂丘により決まった。
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