研究課題
資料収集:前年度に引き続き、中央ユーラシア関係の図書・資料の収集を行った。国際シンポジウム:平成17年7月にスラブ研究センターで、国際シンポジウム「中央ユーラシアの地域的・超域的ダイナミズム:帝国、イスラーム、政治」を開催した。特に、第1セッション「中央ユーラシアの近代知識人」(報告者:アディーブ・ハーリド、マンベト・コイゲルディエフ、小松久男)と、第5セッション「ロシア帝国と中央ユーラシア」(報告者:長縄宣博、マルガリータ・ヂコヴィツカヤ、宇山智彦)が、本研究に直接関わるものであった。また同シンポジウムの直後に、やはりハーリド氏、コイゲルディエフ氏らを報告者としたシンポジウム「中央ユーラシア研究の新地平」を東京で開催した。論文執筆:上記国際シンポジウムで研究代表者本人が発表した内容を、日本語と英語で論文にまとめた。日本語版は雑誌『スラヴ研究』(査読つき)に、英語版は国際シンポジウム報告集に近く掲載される予定である。そこでは、中央ユーラシア知識人の活動の前提であるロシア帝国の民族政策を取り上げ、ロシアの行政官らが中央アジア諸民族のロシア化についてどのような議論を行ったか、なぜ体系的なロシア化が行われず、むしろ個別主義的な政策が採られたかを、行政官らの異民族に対する猜疑心やオリエンタリズム的態度という視角から解き明かした。また、民族知識人の側も帝国の個別主義的政策を利用しようとしたことに触れた。知識人の役割そのものに焦点を当てた論文は、現在別途準備中である。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
スラヴ研究 53(近刊)
Empire, Islam and Politics in Central Eurasia (Uyama Tomohiko, ed.)(Sapporo : Slavic Research Center) (近刊)
イスラーム地域の国家とナショナリズム(イスラーム地域研究叢書(5))(酒井啓子・臼杵陽編)(東京大学出版会)
ページ: 55-78
Urbanizatsiia i nomadizm v Tsentral'noi Azii : istoriia iproblemy(Almaty : Daik-Press)
ページ: 194-209