研究課題/領域番号 |
16530345
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
舩橋 晴俊 法政大学, 社会学部, 教授 (30130751)
|
研究分担者 |
堀田 恭子 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (20325674)
角 一典 北海道教育大学, 教育学部旭川校, 助教授 (10312323)
湯浅 陽一 青森大学, 社会学部, 専任講師 (80382571)
|
キーワード | 環境問題 / 環境社会学 / 環境制御システム / 社会的ジレンマ / 環境運動 / 水俣病 / 整備新幹線 / 産業廃棄物 |
研究概要 |
研究代表者である舩橋は、水俣病問題と青森県の核燃料サイクル施設建設問題を中心として、引き続き調査研究を行った。水俣病問題については、科学技術社会学の視点からの考察を行うことにより、水俣病についての医学的研究が、どのような形で、未認定患者問題の未解決過程と絡まり合ってきたのかを検討した。また、熊本水俣病関西訴訟判決が、水俣病問題の歴史の中で有する意義について検討した。核燃料サイクル施設建設問題については、2005年度も、引き続き青森県現地関係者に対する系統的ヒアリングを実施するとともに、青森市において、市民団体主催の講演会において、「核燃問題の岐路と青森県の将来」のタイトルで講演した(2005年7月3日)。 各研究分担者も調査を継続している。堀田は、カネミ油症問題について、生活史的手法により、被害者への継続的ヒアリングを行った。また、棚田保全問題について、長崎県内の営農者と棚田オーナーへのヒアリング調査を行った。角は、整備新幹線建設・生協運動・生ごみリサイクルの3点に関する調査を行った。整備新幹線については、新たに着工が決定した北海道道南地域での現状把握を行った。生協運動については、北海道における社会運動の拠点となっている生活クラブ生協北海道に対する調査を行い、来年以降の調査に向けての仮説を整理した。また、近年関心を集めている生ごみリサイクルの現状をまとめた。湯浅は、岩手県における産業廃棄物政策・産業廃棄物税に注目し、文献と資料収集による研究を行った。産業廃棄物税は青森・岩手・秋田の3県が合同で導入したものであるが、なかでも岩手県の産業廃棄物政策はもっとも体系的なものと評価されうる。これまでの分析からは、その特徴として、(1)自県(圏)内処理の原則など、自覚的かつ独自のルール形成、(2)第2クリーンセンターの建設など「公共関与」による処理施設の整備、の2点が挙げられる。
|