研究課題
基盤研究(C)
1.理論的研究として、「環境制御システム論」の基礎づけとしての「社会制御システム論」の体系化をすすめた。社会制御システムの諸類型を分析し、環境制御システムがそれらのうちの「社会的基準・集計量管理型」に属すること、そして、諸類型において、経済的合理性とそれ以外の価値に基づく合理的行為がそれぞれ占める位置を検討した(舩橋)。また、社会制御過程の一契機としての政策過程を検討した先行理論(政策過程論)の検討を行った(角)。2.実証的研究として、環境破壊と環境問題の改善について以下の事例研究を行った。(1)環境制御システムの一部を構成する主体としての協同組合に注目し、研究を進めた。特に、購買力を結集することによってシステムの改革を目指す生活協同組合の活動が、さまざまな形で環境に対するかかわりを持っていることを示すとともに、生協セクターの活動が機能不全を起こしつつある現状を把握した(角)。(2)自然環境の保全に関する事例として長崎県の棚田を中心に自治体・営農者・都市住民のそれぞれの保全への取り組みをまとめた(堀田)。(3)国内最大級の産廃不法投棄事件である青森・岩手県境産廃不法投棄事件について、青森県側の主要地方紙である東奥日報に掲載された記事をもとに、事件の経緯と関係主体を中心としながら詳述した(湯浅)。(4)1960年代に静岡県沼津市・三島市・清水町においてなされたコンビナート建設阻止の住民運動について、これまでの知見をまとめて、運動の成功の要因を検討した(舩橋)。(5)水俣病の教訓を、「社会過程における悪循環」「追加的被害」「科学的研究と公害問題との関係」「環境ガバナンス」といった視点から、検討した(舩橋)。
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すべて 雑誌論文 (12件)
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