研究課題/領域番号 |
16530491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
吉村 敏之 宮城教育大学, 附属教育臨床総合研究センター, 助教授 (80261642)
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研究分担者 |
本間 明信 宮城教育大学, 附属教育臨床総合研究センター, 教授 (70106748)
永田 英治 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20164428)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 学習指導 / 授業 / 玉村小学校 / 『草原』 / 『教育論叢』 / 校内研修 / 授業記録 / 斎藤喜博 |
研究概要 |
日本の教育改革期(1930年代から40年代)において小学校教員の学習指導力形成がどのように行なわれたかについて、群馬県玉村小学校の校内授業研究に事例に焦点を当てて、実態を明らかにした。 1.玉村小学校の授業研究の実態を知る基礎資料として、玉村小校内研究誌『草原』(全10号、1935・昭和10年〜1943・昭和18年刊行)のうち入手できたもの(3・4・6号以外)をすべて復刻した。 2.復刻した『草原』の中におさめられた教師による記録をもとに、玉村小学校の授業研究の実態と特質を明らかにした。その結果、玉村小の教師たちに学習指導力形成について、次の点を指摘できる。 ・玉村小学校の授業研究は、日本の教師たちによる教育研究の最も良質な「方法」を備えている。戦前、戦中、戦後と一貫し、今日も通用する、教師の指導力形成に普遍的な価値を持つものである。 ・最良の「方法」とは、集団的であり発見的である研究である。すなわち、教師各自の発想と様式を重視しながら、授業が同僚によって観察され、援助される。また、授業における目の前の子どもたちの活動の価値を発見する。教師の研究形態と子どもの学習形態との間に共通点がある。 ・新任教師でも、研究集団の支えによって、子どもを見る目を豊かにし、学習指導の方法を創ることができた。研究成果を教師たちの間で共有できる組織がつくられていた。 ・教師が自分の担任する子どもの姿を描いた記録は、全国の教員向け雑誌『教育論叢』に掲載された。編集者の瀬川頼太郎が、教室の「事実」の中に理論を発見する研究を推進したからである。玉村小の校内研究の中心人物のひとり、斎藤喜博は、瀬川と交流があった。 ・玉村小学校の教師たちが創った「授業」の思想と方法が、教育史上の偉業である島小学校11年間の「授業の創造」へとつながる。
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