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2005 年度 実績報告書

階数2のシンプレクティック群とユニタリー群の保型エル函数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16540034
研究機関大阪市立大学

研究代表者

古澤 昌秋  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50294525)

研究分担者 兼田 正治  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
河田 成人  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50195103)
加戸 次郎  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10117939)
市野 篤史  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40347480)
谷崎 俊之  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70142916)
キーワード相対跡公式 / 保型エル函数 / ジーゲル保型形式 / エル函数の特殊値
研究概要

次数2のジーゲル保型形式に付随した,次数4のEuler積で与えられるスピノルL函数の函数等式の中心における特殊値の明示公式を与える,相対跡公式についての研究を引き続き行った。
具体的には,ヘッケ環の単位元に関して示した「基本補題」をどうやってヘッケ環の任意の元に拡張するかについての研究を行った。これに関しては下記のような大きな進展を得ることができた。
「基本補題」に現れる軌道積分は,ヘッケ環の元の函数として見たとき,明らかに線型である。したがって,「基本補題」をヘッケ環の適当な基底について示せばよいことになる。一方,ヘッケ環は佐武同型によって,対称式の理論と深く関わっていることがよく知られている。対称式の理論において,近年発展の目覚ましい理論はMacdonald多項式の理論であった。Jacquet, Mao-Rallis, Offenといった人々は最近,相対跡公式の基本補題の単位元からヘッケ環全体への拡張に関して,Macdonald多項式の理論を用いて成功を収めた。これらの仕事に触発されて,我々の考察している相対跡公式にも同様のことができないかと考えてみた。
我々の軌道積分はベッセル模型とよばれる次数2の一般斜交群の表現の模型に深く関係している。このベッセル模型の値の明示公式はWeyl群不変な有理式であり,パラメーターを適当にとると本質的に,Macdonald多項式になっている。これからベッセル変換に関するPlancherel測度を直ちに得ることができる。そして,これによるFourier反転公式を用いると,軌道積分が退化した軌道積分の,Schur多項式をMacdonald多項式の間の関係を表す組み合わせ的量(一般化されたKostka数)を係数とする一次結合で表されることが解った。退化した軌道積分の計算は終了しており,Kostka数についても明示式が得られている。したがって,残りの作業としては,場合分けされた各場合について,これらの一次結合を計算することが残っている。これを平成18年度の早い時期に完成させる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Pullbacks of Saito-Kurokawa lifts2005

    • 著者名/発表者名
      Ichino, Atsushi
    • 雑誌名

      Invent.Math. 162・3

      ページ: 551-647

  • [雑誌論文] The Beilinson-Bernstein correspondence for quantized enveloping algebras2005

    • 著者名/発表者名
      Tanisaki, Toshiyuki
    • 雑誌名

      Math.Z. 250・2

      ページ: 299-361

  • [雑誌論文] On Heller lattices over ramified extended orders2005

    • 著者名/発表者名
      Kawata, Shigeto
    • 雑誌名

      J.Pure Appl.Algebra 202・1-3

      ページ: 55-71

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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