研究概要 |
平成17年度は,テーマである代数曲線族の局所符号数及び関連するHorikawa指数に関して,以下のような進展を見ることができた。 (1)安定族に対しては,前年度,奇数種数最大ゴーナル曲線族に対するKonno-Horikawa指数へのHarris-Mumford公式の応用を見い出していたが,本年度は,偶数種数に対するEisenbud-Harris公式がほぼ同じ応用を持つことがわかった。正確には,少なくとも種数4の場合にはChen-Konno boundからの局所寄与を測る式を得たが,種数6以上についてはEisenbud-Harris公式そのものをよりSharpにする必要があるため,今後の研究に託されている。 (2)非安定族については,前年度までに,安定還元に伴う不変量の変動項をモノドロミー情報のDedekind和を用いて記述していたのであるが,本年度,このDedekind和を完全に明示的に表すことができるようになった。そのため,我々の式を種数に関するinductionが可能な形の非常に簡明なものに書きかえることができた。Dedekindの相互律とMatsumoto-Monteinosの和公式によって証明されるこのDedekind和に関するこの式は,数論的に意義があると自負している
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