研究課題/領域番号 |
16540039
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
中島 俊樹 上智大学, 理工学部, 教授 (60243193)
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研究分担者 |
篠田 健一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053712)
五味 靖 上智大学, 理工学部, 助手 (50276515)
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キーワード | 幾何結晶 / 結晶基底 / 完全結晶 / 超離散化 / tropical R / Drinfeld 多項式 / マルコフトレース |
研究概要 |
古典型に対応するアファイン型の幾何結晶を具体的に構成した。一般的な予想として、いわゆるKirillov-Reshetikhin加群の場合に構成できると考えられているが、今回成功したものはその中でももっとも簡単な基本表現に付随したものであった。その構成方法について簡単に説明する。まず、拡大アファインワイル群の基本ウェイトのtranslationあたる元をとる。そこからさらにDynkin diagram automorphismを除いた形のアファインワイル群の元に対応するSchubert cell上の幾何結晶の構造を考え、Dynkin diagram automorphismを利用してインデックス0にあたる作用やデータを決定する。この構成においてはかなりの計算を要するがおどろくべきは、こうしてできた幾何結晶がpositive structureをもつことである。そのため、超離散化の方法を適用することにより結晶基底が得られる。この結晶基底が完全結晶といわれる極めて性質のよいもののある種の極限になっていることがわかった。最近では、こうした幾何結晶たちに対してtropical RとよばれるR matrixの一種が存在しさらに一定の条件のもとで一意性をもつこともわかってきた。また、古典型の場合のみならず例外型の場合についてもG_2型について上で述べたような幾何結晶と完全結晶の対応が見出されている。 1のベキ根におけるA型量子群の場合にevaluation加群としてaffine型の加群にもちあげ、そのDrinfeld多項式を求めることにも成功した。また、五味は一般型のマルコフトレースを定義し、その性質について詳しく調べた。
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