研究概要 |
後藤:擬対称空間を分解したとき,未知な部分を含む構成要素が登場するのが3次元である.そこで3次元擬対称空間を研究対象に選び、とくに局所共形平坦である場合に幾何学的構造を調べた結果をまとめたものが下の研究発表論文のリストに記したもので現在印刷中である。この研究の高次元版を研究している. ローレンツ型計量も3次元で局所共形平坦な擬対称空間ならば,知られている結果を組み合わせると局所的構造が分かる.現在その大域的構造を研究中である.さらに,局所共形平坦とは限らない3次元擬対称空間上のローレンツ計量の局所的構造も分かるので,その大域的構造を研究している。 西原:下の研究発表論文のリストに記した論文において、EをC上の核型空間とし、FをC上の連続なノルムを持つフレッシュ空間とするとき、EからFへの正則写像がEを部分空間として含む任意の局所凸空間へ正則拡大できるための必要十分条件を与えた。これはMeise-Vogt(1984年)の結果の改良になっている。 現在、C上の連続なノルムを持つフレッシュ空間というFの条件を緩めることを研究している。また、有界集合上弱連続な正則関数を定義する位相の性質について調べ、それを$1_1$問題に応用することを研究している。 菅原:Lorentz曲面上の測地線の方程式をRiemannの場合と対比して研究している。 (1)Lorentz曲面で、測地線の方程式が可積分なものは局所的にはRiemannの場合と類似の表現を持つ。 (2)Riemannの場合は、第一積分の特異点の個数によって分類され、それぞれの場合において形が完全に決定されている。しかし、Lorentzの場合は、第一積分が存在しないため、ただ一種類になっている。この一種類がRiemannの場合と同様な形であると予想されるが、その点は未解決である。 西山:上の菅原の研究の中に含まれている未解決の部分を検討中である。 また,研究発表論文は下のリストに記述した。 なお、科研費補助金の多くを旅費として使い、情報交換・情報収集等に大変有効であった。
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