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2004 年度 実績報告書

自己変調過程より生じる臨界ゆらぎの特性解明と現実系への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16540346
研究機関東京工業大学

研究代表者

高安 美佐子  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20296776)

キーワード自己変調過程 / ベキ分布 / 確率過程 / 臨界現象 / 1/fスペクトル / 市場価格変動
研究概要

自己変調過程とは、過去の変位の履歴の移動平均値に、乗算型のノイズを付加し、さらに、加算型のノイズを加えて時間発展した変位の値を計算するランダムな確率過程である。このモデルの最も基本的な場合に関して、変位がベキ分布にしたがうこと、パルスの時系列に対しては1/fスペクトルが現れることなどを既に示している。この数理モデルは、自動的に臨界的な特性を生み出す一般性の高い確率モデルである。
このモデルの基礎的な性質を調べるため、数値解析を進めた。その結果、移動平均の形に依存しない形で、かなり一般的に、最も基本的な場合と同じようなベキ分布などの性質が見られることが確認できた。また、スカラー量に限らず、ベクトル量でも、あるいは、マトリックスのような場合でも、同じような統計性を示す結果が得られてきている。すなわち、移動平均値にランダムな乗算ノイズを付加するような効果によって、非常に一般的に臨界的な振る舞いが見られることが期待される。
自己変調過程の応用としては、市場の取引の発生過程のモデルが先駆的であるが、市場価格の変動そのものに関しても適用できることがわかってきた。また、インターネットにおける情報流のトラフィックの増減も自己変調過程によって近似できることがわかってきた。脈拍の間隔のゆらぎに関するモデルとしても有効であると期待されている。複雑なシステムおいて1/fスペクトルを出す現象が広く見出されているが、自己変調過程はその理論的な根源になる可能性もあると期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Dynamic complexity in the Internet traffic2005

    • 著者名/発表者名
      Misako Takayasu
    • 雑誌名

      Complex dynamics in communication networks(Springer) (to appear)

  • [雑誌論文] Temporal characteristics of foreign exchange markets2005

    • 著者名/発表者名
      Misako Takayasu
    • 雑誌名

      Practical Fruits of Econophysics (to appear)

  • [雑誌論文] Statistical properties of the moving average price in dollar-yen exchange rates2004

    • 著者名/発表者名
      T.Ohnishi, T.Mizuno, K.Aihara, M.Takayasu, H.Takayasu
    • 雑誌名

      Physica A 344(1-2)

      ページ: 207-210

  • [雑誌論文] Traders strategy with price feedbacks in financial market2004

    • 著者名/発表者名
      T.Mizuno, T.Nakano, M.Takayasu, H.Takayasu
    • 雑誌名

      Physica A 344(1-2)

      ページ: 330-334

  • [図書] ゆらぎの科学と技術(山本光璋,鷹野致和編集)2004

    • 著者名/発表者名
      高安美佐子
    • 総ページ数
      13
    • 出版者
      東北大学出版会
  • [産業財産権] 情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びそのプログラム2004

    • 発明者名
      田村陽介, 高安美佐子, 高安秀樹
    • 権利者名
      ソニー株式会社
    • 産業財産権番号
      特許権2004267102
    • 出願年月日
      2004-09-14

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2013-04-22  

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