研究概要 |
1.アキラルなモノマーのアニオン重合 ブロック共重合体合成の基礎データを得るため、既にラジカル重合によりポリマーを得ることに成功しているジエチルアミド型のモノマーのアニオン重合を行った。前年度に開始剤としてカリウムナフタレンおよびジフェニルメチルカリウムを用い重合温度を-78℃まで下げることにより連鎖移動による分子量の低下を抑制できることを見出してたが、重合速度が極めて遅いことが問題であった。今年度、重合系中に塩化リチウムあるいはジエチル亜鉛を添加することにより、重合温度を上昇させても連鎖移動は起こらず、また、重合速度が速くなることを見出した。この条件をもちいてスチレンとキラルなアミド基を有するジエンモノマーとのブロック共重合体を合成した。 2.生成ポリマーのミクロ構造 対カチオンをカリウムとした場合の生成ポリマーのミクロ構造は1,4-E構造だけでなく50%程度の1,2-構造も含まれていた。一方、開始剤の対カチオンにリチウムを用いた場合やカリウム系の開始剤に塩化リチウムあるいはジエチル亜鉛を添加し他系では、この他に1,4-Z構造も混在し、非常に複雑な混合系となった。 3.光学分割カラムヘの摘要 スチレンとのブロック共重合体を平均粒径0.1mm程度のガラスビーズにコーティングし、ラセミ体アミノ酸水溶液への光学分割が可能であるかを別途購入したキラルカラムを用いた液体クロマトグラフで評価した。ガラスビーズ表面を疎水化処理するとブロック共重合体は効率よく表面にコーティングされる事が判った。
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