北部北太平洋におけるイカ類幼生の分布・豊度と初期生活史の解明することを目的としている。平成17年度の成果は以下の通りである。 北海道大学練習船「おしょろ丸」が行った航海(7月22日-8月7日)に乗船し、ボンゴネットを用いて、北太平洋165°Wで頭足類幼生を採集した。採集した標本から頭足類幼生を選別し、80以上の個体を検査した。この種類と去年が取ったサンプルを同定するため、遺伝子解析を行った。具体的には、PCR法(遺伝子増幅法)を用いた遺伝子検査により、COIジーンを調べた。その結果、五つの形態型が判明しました。現在は5種の分布パターンを解析して、このパターンと海洋観測データにおける海流分布を比べている。 平成17年10月のPICES(北太平洋における海洋科学の政府間機構)年次総会(ウラジオストック、ロシア;http://www.pices.int/meetings/annual/PICES14/)に参加し、+遺伝子解析と分布の成果を発表した(http://www.pices.int/publications/presentations/PICES_14/FIS/p14_FIS.aspx)。 平成16年5月の航海中にコウモリダコを採集した。コウモリダコが日本の近海で採集された例はほとんどなく、本研究においても重要な知見になる思われるので、論文を作成した。この論文は今年の4月にFisheries Scienceに出版される(72:445-447)。
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