研究課題
基盤研究(C)
1 本年度は、6年後の補完・代替医療の実践状況ならびに意識の変化について、医師会会員および一般市民を対象に行った。1)医師に対する補完・代替医療の実践状況については、京都府医師会会員より630名を無作為抽出し、アンケート用紙を郵送し、回収した。有効回答数は405名で、有効回答率は64.2%であった。今回の調査結果より以下のことが明らかになった。(1)代替医療という言葉の認知度は、1999年(45%)から2005年(82%)と有意に増加していた。(2)漢方実践者が、1999年(70%)から2005年(78%)と有意に増加していた。(3)鍼灸については、2005年も1999年と同じく医師自身が行うことは少ないが、患者からの相談や鍼灸師への紹介は比較的多かった。(4)その他の代替医療の実践は、2005年も1999年と同じく非常に少なかった。(5)効果の信頼性についても、2005年と1999年での変化はなく、知識の程度と相関しており、漢方が最も信頼度が高かった。また、鍼や灸も信頼度が高く、ついで温泉療法、カイロプラクティックなどが高かった。などであった。2)一般市民に対する調査として、京都市内の町内会の住民434名に調査した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)鍼灸およびあんまマッサージの実践率は、1999年に比較して有意に減少していた。(2)健康食品については、実践率は、1999年に比較して、有意に増加していた。(3)漢方、カイロプラクティック、温泉療法、催眠療法、タラソセラピー、気功、ヨガなどは、変化がみられなかった。(4)補完・代替医療の実践目的については、1999年との間に有意差がみられたものがあった。すなわち、漢方については、治療目的が減り、健康増進が増加していた。これは、あんまマッサージ、カイロプラクティックにも同じであった。2 補完・代替医療の利用者のQOLをみると、非利用者に比較して、有意に低いことが明らかになった。
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