研究課題/領域番号 |
16591193
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
森 厚文 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (90019604)
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研究分担者 |
柴 和弘 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (40143929)
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20281024)
西内 巧 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (20334790)
小川 数馬 金沢大学, 学際科学実験センター, 助手 (30347471)
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キーワード | 分子イメージング / がん治療効果予測 / 血管内皮増殖因子 / 線維芽細胞増殖因子 / 放射性ヨウ素標識 / 担がんマウス |
研究概要 |
腫瘍血管新生は、腫瘍の腫瘍発育・転移過程に深く関わっていることが知られており、独立した予後決定因子であることが種々の臓器由来の癌において示されている。また近年、腫瘍血管新生を随害することにより、腫瘍組織を休眠状態に抑えることを目的とした治療が、種々の薬剤によって試みられている。これらの事実は、腫瘍血管新生の画像化・画像的定量化は、腫瘍転移能・患者予後に関わる貴重な情報に結び付くものと考えられる。 本研究では、血管新生に関与している調節因子の中で、血管内皮増殖因子(VEGF_<165>)、線維芽細胞増殖因子(a-FGF,b-FGF)、アンジオポエチン(Ang-1,-2)を放射性ヨウ素で標識を行い、担癌モデルマウスにより腫瘍集積性の評価を行った。 標識方法にはタンパク質の一般的な標識方法であるクロラミンT法を用いて行い、高い標識率、放射化学的純度で標識、精製を行うことができた。これらの標識体を用い、担癌モデルマウスにおける体内分布実験を行った結果、[^<125>I]VEGF_<165>、[^<125>I]Ang-1、[^<125>I]Ang-2は腫瘍への高い集積製を示した。また、生理的な血管新生が見られる子宮・卵巣への集積も確認された。一方、[^<125>I]a-FGF、[^<125>I]b-FGFでは腫瘍や子宮・卵巣への集積は認められなかった。[^<125>I]a-FGF、[^<125>I]b-FGFが腫瘍などに集積を示さなかった原因は明らかでないが、標識反応の際にFGF自身の生理活性が損なわれた可能性が考えられる。 以上の結果から、VEGF165、Ang-1、Ang-2に腫瘍イメージング薬剤の標識母体として可能性が示唆された。
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