研究課題/領域番号 |
16591215
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
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研究分担者 |
大内 敦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70168863)
永倉 久泰 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80244359)
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
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キーワード | DNA-PK活性 / 染色体不安定性 / 発癌 |
研究概要 |
「DNA-PK(DNA依存性プロテインキナーゼ)活性と放射線感受性、癌罹患性」 癌組織や正常組織の放射線感受性において、DNAの2重鎖切断の修復機構の主要酵素であるDNA-PKは、主要な決定因子である。我々は、多数の個人の末梢リンパ細胞をもちいて研究を行い、以下の結果を得た。 (1)多数の癌患者及び健常人よりリンパ細胞のDNA-PK活性を測定したところ、癌患者の方が健常人より有意に、DNA-PK活性が低く、また、健常人でもDNA-PK活性値の個人差が大きい。 (2)年齢や喫煙歴は、DNA-PK活性と相関がみられなかった。 (3)RT-PCRで解析したが、DNA-PK活性値とDNA-PKの構成サブユニットであるDNA-PKcs、ku70、ku86の発現に相関がみられた。 (4)また、Western blotでも解析したが、DNA-PK活性値とDNA-PKの構成サブユニットであるDNA-PKcs、ku70、ku86の蛋白量との間に、RT-PCRの結果ほど明らかではないが、相関がみられた。 (3)(4)より、DNA-PK活性は、その発現により調節されていることが予想された。 (5)DNA arrayで、DNA-PK活性と相関する蛋白を解析したところ、細胞周期チェックポイントやアポトーシスに関わる複数の蛋白と、相関がみられた。これは、DNA-PKが重要な役割を担うDNA修復機構とアポトーシスや細胞周期チェックポイントの機構において、発現レベルでlinkageがあることを示唆すると思われた。 (6)また、DNA-PK活性が低いほど、乳癌患者の予後因子である病理所見の悪性度が高いことが判明した。 以上より、DNA-PK活性は、癌組織や正常組織の放射線感受性に影響するのみならず、癌罹患性や癌の悪性度にも関連していると考えられる。
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