研究課題/領域番号 |
16591396
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
市場 晋吾 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30284102)
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研究分担者 |
氏家 良人 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10201352)
清水 信義 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90108150)
伊達 洋至 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60252962)
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (00307670)
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キーワード | 人工肺 / 抗血栓性 / 生体適合性 |
研究概要 |
内科的治療の限界を超えた重症呼吸不全に対する最終的治療法は肺移植であり、我が国でも可能となった。しかし、心臓や肝臓と比較して、肺のドナー不足は深刻であり、肺移植に登録されても、長期間待機している間に全身状態が悪化し、亡くなる患者も少なくない。それにもかかわらず適切な移植へのブリッジ手段がないのが現状である。高性能な携帯型補助人工肺があれば、最低限の抗凝固療法を行いながら昇圧剤などの薬物投与量を減らすことが可能となり、その結果、心肺機能の負担を軽減できる。また、鎮静や気管挿管の必要がなくなり、待機患者のQOLが向上するとともに、良好な全身状態で移植手術に臨むことが可能となる。この研究の目的は、我々の研究グループが開発してきた携帯型人工肺を、より高いガス交換効率と耐久性、生体肺に近い肺循環動態をもつデバイスに改良し、In vitroおよびIn vivoにおける評価において、問題点を明らかにすることである。 人工肺を長期に装着する上で最も問題となるのは、抗凝固剤使用に伴う出血や回路内血栓の問題である。次に重要な問題は、人工肺のガス交換能の耐久性、そして生体適合性である。特に携帯型にする場合には、開胸操作の上で装着するので、術創からの出血による実験動物の死亡が大きな問題となっていた。そこで、抗凝固剤を出来るだけ使用しなくてもよくするための方法の1つとして、特殊な内面コーティングを施すことである。 現在、我々はさまざまなコーティングの方法、例えば高分子表面にプラズマ処理を施し、プラズミノーゲンをコーティングする方法など、を評価するための準備を進めてきた。豚を用いて、Femoral Artery-Femoral veinバイパスモデルを作成、血流の持続時間により回路の開存度を測定する方法を確立中である。
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