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2006 年度 実績報告書

ホルモン感受性変化を中心とした前立腺癌ホルモン抵抗性の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16591629
研究機関産業医科大学

研究代表者

藤本 直浩  産業医科大学, 医学部, 助教授 (30209100)

研究分担者 野村 昌良  産業医科大学, 医学部, 助手 (80369066)
キーワード前立腺癌 / ホルモン感受性 / アンドロゲン受容体
研究概要

昨年度までの研究引き続き前立腺癌のホルモン抵抗性機序について検討した。
(1)進行前立腺癌患者で、ホルモン療法前と再燃後に前立腺癌組織が得られた症例についてアンドロゲン受容体の共役因子であるARA55、TIF2について、その発現を免疫染色で調べた。その結果TIF2の発現には変化がなかったが、ARA55についてはホルモン療法前ではARA55の発現は前立腺癌の間質にのみ見られ、癌細胞にはほとんど発現は見られなかった。しかし、33%の症例においてホルモン療法後の再燃癌では癌細胞にもARA55の発現を認めた。これまでの我々の検討でARA55はアンドロゲンによるアンドロゲン受容体の転写活性を増強し、アンドロゲン高感受性の前立腺癌細胞で発現が上昇することを確認しており、このことから臨床症例においても再燃に伴い癌細胞でARA55の発現増強がみられ、このことがホルモン抵抗性機序のひとつであることが推測された。
(2)前年度までの研究でTNFαが前立腺癌のアンドロゲン感受性を亢進させ、ホルモン抵抗性に関与している可能性が考えられたので、前立腺癌患者血清中のTNFαをELISAで測定したところ、再燃癌症例(10例)で平均2.53pg/ml(SD 5.44)、中央値0.86pg/ml、非再燃例で平均0,49pg/ml(SD O.25)、中央値0.52pg/mlであり、再燃癌症例で有意に高値であった(P<0.01)。
以上より前立腺癌はTNFα等の刺激によりアンドロゲン高感受性になり、このことは再燃機序の一つである可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 前立腺癌の進展におけるTNFαの関与 〜TNFα長期刺激により前立腺癌細胞はアンドロゲン高感受性になり得る〜2007

    • 著者名/発表者名
      藤本直浩, 他
    • 雑誌名

      西日本泌尿器科 (in press)

  • [雑誌論文] Prostate Cancer Cells increase Androgen Sensitivity by Increase in Nuclear Androgen Receptor and Androgen Receptor Coactivators ; A Possible Mechanism of Hormone-Resistance of Prostate Cancer cells2007

    • 著者名/発表者名
      Naohiro Fujimoto et al.
    • 雑誌名

      Cancer Investigation (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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