研究概要 |
本研究では、まず最初に、複数の小型永久磁石を磁気マーカとして利用した生体内直流磁界式モーションキャプチャシステム(平成14年12月10特許公開;特開2002-355264)および6自由度運動計測方法(平成15年9月18日特許出願;特願2003-326034)での基本技術をベースとして、小児患者へ問題なく適用可能なほど違和感が小さく、より精度の高い非侵襲的な交流磁界式顎機能解析システムの開発を行った。 次のステップとして、本システムを片側性唇顎口蓋裂患者に適用し正確な顎機能評価を行った。今後はさらに、症例数を増やし、検討を進め、患者全体に共通して認められる機能的問題点の特徴を明らかにする予定である。それらの成果は、顎裂部骨移植術、歯科矯正治療など形態改善を目的とした処置の適切な方法およびタイミングを決定する際に役立てていきたいと考えている。 今年度の具体的研究実績を下記に示す。 1)顎運動測定装置の改善、利便性の向上(担当;金高弘恭,薮上信,荒井賢一) 開発された顎機能解析システムを用い、あらかじめ本研究について充分な説明を行い、同意を得たボランティアに対し顎機能の測定を行った。その際、装置操作上の問題点を抽出し、システムの改善を図り、利便性の向上を行った。 2)片側性唇顎口蓋裂患者への臨床応用(担当;幸地省子,金高弘恭) 片側性唇顎口蓋裂患者に対して、本システムにより顎運動測定を行い、システムの有効性を確認した。今後さらに研究を進め、片側性唇顎口蓋裂患者全体に共通して認められる機能的問題点の特徴を明らかにしていく予定である。
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