研究課題/領域番号 |
16592188
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
田上 美千佳 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (70227247)
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研究分担者 |
新村 順子 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (90360700)
白石 弘巳 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (80291144)
田中 美恵子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10171802)
濱田 由紀 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00307654)
山村 礎 首都大学東京, 健康福祉学部, 準教授 (00260323)
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キーワード | 統合失調症 / 長期入院患者 / 退院促進 / 地域生活 / 家族ケア / 看護援助 |
研究概要 |
本研究の目的は、長期入院している精神障害者の退院を促し、退院後の地域生活を促進するための患者・家族への看護援助を明らかにすることである。 今年度は、以下の2点を中心に研究を行った。 第1に、入院中に退院や退院後の生活に向けて家族に役に立った看護援助について検証するために、1年以上の入院経験を有する統合失調症患者の家族を対象に、1〜2時間の半構成面接調査を実施した。対象となった家族は20名、患者との関係は、母親15名、父親3名、姉1名とその配偶者1名であった。面接データを質的に分析した結果、家族自身の経験は、1)病気に対する家族の態度、2)患者のことを思う、3)家族による患者への援助、4)家族自身の人生、5)家族自身の見通しの中でケアを考えるという5つのテーマに分類された。 第2に、精神科病院及び精神科病棟において統合失調症患者の退院に向けた看護援助に焦点をあて、受け持ち看護師を対象に、家族への援助内容と援助の特徴について把握するための面接調査を行った。語られた患者の平均入院期間4.0年(SD76.3)(1〜27年)、初診からの期間15.5年(1〜44年)、GAFは退院支援開始時ならびに退院時ともに50点台であった。面接データ分析の結果、患者と家族をつなぐケアとして、1)家族とともに生活するための支援、2)調整役として患者と家族の理解を深める、7)家族を頼らない生活設計等7項目が抽出された。本調査は来年度も分析を継続し、妥当性を高める予定である。 なお、本研究は研究代表者の所属機関倫理委員会の承諾を得ており、上記それぞれの調査対象者には文書による研究への同意を得、分析においては、事例はID番号で整理し、プライバシーや匿名性の確保に努めた。
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