研究課題/領域番号 |
16592194
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
齋藤 泰子 群馬大学, 医学部, 教授 (50248861)
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研究分担者 |
沼田 加代 群馬大学, 医学部, 助手 (40344931)
中山 かおり 群馬大学, 医学部, 助手 (90369372)
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キーワード | アドボカシー / 保健師 / 高齢者虐待 / 子ども虐待 / 行政 / 公的責任 |
研究概要 |
アドボカシーという概念が日本に紹介されて久しいが、保健・医療・福祉・法律の分野において様々な使い方がなされ、定義についても定まっていない現状がある。本研究は、Gadow.S.(1990)「クライアントの自律性を高め自身の価値の表出を支援するような専門職者のかかわり」、J.W.Zerwekh(1992)「自己決定に関する患者の権利を促進する過程」という定義の注目し、日本の行政保健師の地域看護活動を「保健師アドボカシー」として体系化を試みるものである。 研究初年度にあたる昨年は、欧米を起源とするアドボカシーの概念を我が国の保健師活動実践の概念枠組みとして理論化の検討に活かすことを目的に、海外文献のアドボカシー用語の概念分析を行った。結果、先行要件として、ホームレス、妊娠中の虐待、子どもの虐待、過疎地の高齢者といった健康生活を自らの資源のみでは獲得・維持できない「健康弱者」の存在が明らかとなった。帰結としては、健康弱者を社会資源(教育を受ける機会、社会生活訓練、職業訓練、住宅供給の提供)へつないで自ら健康生活を獲得していくため援助と政策提言が明らかとなった。今年度は、文献から明らかとなった概念が、我が国の実際の保健師活動とどのような相違もしくは一致があるのかについて分析を進めた。実態把握のために県の主催する高齢者虐待研究会において保健師の虐待対応の事例を検討した。緊急措置対応と家族支援に保健師アドボカシーと関連する先行要件として、家庭訪問等こちらから出向いていく(アウトリーチ)活動、関係機関との連携、高齢者虐待についての啓発活動、教育研修の機会の提供が要件として上がった。更に、高齢者虐待と子ども虐待に対応している行政の保健師のグループを構成しフォーカスグループインタビューを行った。(一部予定)インタビュー実施にあたっては、倫理審査(疫学倫理審査委員会)の承認を得た。
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