研究課題/領域番号 |
16592226
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
|
研究機関 | 東京医療保健大学 (2005-2007) 東京女子医科大学 (2004) |
研究代表者 |
北 素子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (80349779)
|
研究分担者 |
伊藤 景一 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (00191883)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2007
|
キーワード | 高齢者 / 在宅介護 / 家族支援 / アウトカム評価 / 尺度開発 / 生活安定尺度 / グラウンデッド・セオリー法 |
研究概要 |
要介護高齢者家族に対する支援のアウトカム評価への活用を目指して、在宅介護しながらの生活安定状況を測定する尺度の開発を行った。グラウンデッド・セオリー法を用いた要介護高齢者を在宅介護する家族の生活安定構造の理論化、それを前提とした尺度原案作成、内容妥当性・表面妥当性の検討による暫定尺度の作成を経て、本調査による本尺度の再構成および信頼性・妥当性の検討を行った。その結果、5因子32項目から成る要介護高齢者を在宅介護しながらの家族生活の安定状況を掌握する本尺度が再構成され、因子妥当性、臨床的妥当性、内的整合性による信頼性が以下の通り確認された。すなわち、本調査による探索的因子分析で抽出された5因子は、先だって明らかにした介護家族の生活安定講造に関する具体理論から導き出された仮の6下位尺度とは様相を異とするものであった。しかし、5因子はその内容から具体理論の柱であった<家族内ニーズ競合状態>と<生活のルチン化状態>と対応関係にあることが推察され、本尺度の一定程度の因子妥当性は確認された。また、生活安定度得点および下位尺度得点と関連する要因について検討した結果、それぞれの要因による生活安定度得点と下位尺度得点の結果は既存の知見や在宅介護の現状と対応させて解釈可能であり、本尺度の臨床妥当性は確保されているものと考えられた。各下位尺度のクロンバックα係数はすべて0.7以上であり本尺度の内的整合性が確認された。介護生活習熟度、介護家族の絆度、介護家族の協力体制、介護サービスの使いこなし度、介護生活ゆとり度という5つの下位尺度から構成される本尺度は、要介護高齢者を在宅介護する家族の状況をより具体的に掌握でき、さらに各下位尺度得点のあり方から、各家族への支援の方向性を見いだせるという点で意義を持つ。今回本尺度の因子妥当性、臨床的妥当性が確認されたが、より多角的な妥当性を備えた尺度への洗練が今後の課題である。
|