研究概要 |
マウスFoxp2,Foxp1,Foxp4遺伝子のタンパク・コード領域((1)wild Foxp2,(4)wild Foxp1,(7)wild Foxp4)をPCR法により単離した。またヒト言語障害家系に生じたFHドメイン内の1塩基置換をPCR法により導入したマウスFoxp2遺伝子((2)mutated Foxp2)或いはFHドメインをすべて欠損した遺伝子((3)C-deleted Foxp2)を作成し、同様に(5)mutated Foxp1,(8)mutated Foxp4,(6)C-deleted Foxp1,(9)C-deleted Foxp4も作成を終了した。 発現ベクターとしては、強力なpCAGGSベクター(宮崎教授より供与)を基盤とし、遺伝子導入された細胞及びその形態変化がモニターできるようヒト胎盤性アルカリフォスファターゼ(PLAP)遺伝子が導入細胞に発現するように細工した、ベクターを構築した(pCAGGS-IRES-PLAP)。さらに神経回路網を描出する、すなわち遺伝子導入されたニューロンとシナプス結合したニューロンをも同定する目的で、経シナプス性に移行する植物レクチンタンパク(Wheat Germ Aggulutinin)を発現するベクターを構築した(pCAGGS-IRES-WGA--IRES-PLAP)。上記(1)(9)遺伝子をpCAGGS-IRES-WGA--IRES-PLAP或いはpCAGGS-IRES-PLAPに挿入し、平成16年度作成予定の遺伝子コンストラクトの作成を完了した。現在、(1),(4),(7)の正常型Foxp2,1,4の発現ベクターをエレクトロポレーション法を用いて、母体内の胎児の脳(マウス胎生13.5-18.5日の脳)に遺伝子を導入し、LGEのニューロンのマーカー発現の変化、神経回路異常がないかを検討している。
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