研究概要 |
RI標識アネキシンVの抗癌剤誘導アポトーシスを評価するための一環として、抗癌剤処理腫瘍細胞のアネキシン取り込みについて検討した。 抗癌剤(CDDP)にてアポトーシスを誘導した腫瘍細胞(ヒト肺癌細胞株PC-1)と未処理のPC-1細胞とを用意し、これらに0.2/0.02/0.002マイクロCi/mlに調製したI-125標識アネキシンVを加え、直ちに37℃の恒温槽にてインキュベーションした。インキュベーション時間は0分,5分,15分,30分,60分,120分とした。インキュベーション後は遠心分離器にて遠心分離した後に上清を吸引除去し、洗浄・遠沈を2回繰り返した後シンチレーション・カウンタにて計測した。 RI標識アネキシンVの取り込みはCDDP処理によりアポトーシスを惹起した群にのみ、みられた。アネキシンVの取り込みはインキュベーション後5分にはみられはじめ、15分後にはほぼピークに達し、120分後までほぼ一定した取り込みを保った。 RI標識がアポトーシスの評価として有用である可能性を強く示唆する結果が得られており、次年度以降は従来、確立されたアポトーシスの評価法であるTUNEL法やBrdU標識されるDNA fragmentの検出法を用いてRI標識アネキシンVの集積との関連性、相違性について検討する予定である。
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