研究概要 |
ヒト由来肺癌細胞であるPC-1を使用して、これまでに抗癌剤投与あるいは放射線照射(5Gy-20Gy)によりアポトーシス惹起されることを125-I標識アネキシンを用いて明らかにした。今回は両者の併用によるアポトーシスについても検討した。 抗癌剤(CDDP)にて処理した腫瘍細胞(ヒト肺癌細胞株PC-1)を用意し、細胞はmedium中に3X10^6の浮遊液とした。抗癌剤未処理細胞群(コントロール群)、抗癌剤処理細胞群、抗癌剤未処理細胞+放射線照射(5Gy,10Gy)群、抗癌剤処理細胞+放射線照射(5Gy,10Gy)群について照射後3,6,12,24時間後に125-I標識アネキシンを0.2μCi/mlとなるように加え、water bathにて90分インキュベートした後にガンマカウンターにて計測した。 3時間後では照射の有無にかかわらず抗癌剤処理細胞群および抗癌剤処理細胞+放射線照射(5Gy,10Gy)群に125-I標識アネキシンの取り込みが見られ、照6-12時間後まで125-I標識アネキシンの取り込みがみられた。5Gy群と10Gy群との間に差は見られなかった。PC-1では放射線によるアポトーシスは抗癌剤によるアポトーシスよりも少ないことをこれまでに明らかにしたが、抗癌剤と放射線との併用によるアポトーシスの増強効果は見られなかった。24時間後にはすべての群でアポトーシスの著明な増加が見られた。アポトーシスを起こすことを証明した抗癌剤処理細胞群をもちいた125-I標識アネキシン法とTUNEL法との比較検討ではアポトーシス早期とアポトーシス中・後期を明確に区別することは出来なかった。
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