研究課題
平成16年度の当初研究計画で予定した、BCAPの全長のクローニング、結合ドメインの決定、BCAPのリン酸化サイトの決定は予定通り終了した。BCAP全長はLongとshortの2種類得ることができた。また、BCAPの欠損変異体、リン酸化サイトをチロシンからフェニルアラニンに置換したミュータントを得ることも完了した。まず、BCAPとAbi-lの結合ドメインがAbi-lのSH3ドメインと、BCAPのC末端の領域であることをYeast Two Hybrid法と293Tにおける過剰発現系を用いることで明らかにできた。このことにより、この両者の結合の様式を明らかにできたことで、今後のシグナル伝達の様式を結合部位の点から具体的に明らかにできたと考える。次に、BCAPのc-Ablによるリン酸化サイトを同定した。BCAPのC末端側にある5つのチロシン残基が程度の差はあるがリン酸化されることをそれぞれの変異体を使うことで明らかにできた。さらに、恒常的に酵素活性のあがったv-Ablにおいても、この5つのチロシン残基がリン酸化され、そのリン酸化にはAbi-lアダプター蛋白質がそのリン酸化を促進することも示した。また、c-Ablの酵素活性制御を明らかにするために哺乳類細胞を使った蛋白質大量発現系を構築した。c-Abl、Abi-1、Menaの蛋白質をGST融合蛋白質として発現しカラムを使い精製できるシステムとして使用している。これらの一連の技術を特許出願した。
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Oncogen 23
ページ: 8527-8534