研究課題/領域番号 |
16H02693
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川口 孝泰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
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研究分担者 |
浅野 美礼 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00273417)
佐藤 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (10260423)
日向野 香織 つくば国際大学, 医療保健学部, 講師(移行) (10709695)
市川 政雄 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20343098)
佐藤 政枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30363914)
大久保 一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40323307)
中内 靖 筑波大学, システム情報系, 教授 (50361324)
内藤 隆宏 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50552155)
川上 康 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70234028)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遠隔看護 / 地域包括ケア / バイタルセンシング / 訪問看護 |
研究実績の概要 |
本研究は4年間で以下の3つのミッションを達成することを目的に実施している。 ①「遠隔看護技術」を次世代の在宅医療の情報インフラとしての基盤整備と実証。 ②「遠隔看護技術」を、対象に合わせたものとして機能させるために必要な各種デバイス(研究者らが開発したもののみならず、関連領域の研究者らが開発した物との統合も含む)の整備と、対象に合わせたプロトタイプの提案、および遠隔看護の実施、評価・検証。 ③「遠隔看護技術」の提供者・管理者に必要な教育プログラム(現任教育、看護基礎教育を含む)の作成・実施と評価、さらには、それらを活用するための資格制度(看護情報学の専門家)に向けた取り組みの実施。 初年度である28年度では、①「遠隔看護技術」を次世代の在宅医療の情報インフラとしての基盤整備と実証を行った。そのために学内外の企業、研究者、行政の連携体制を構築した。在宅医療を支えるための遠隔看護技術を開発していくため、医学医療系研究棟内に「遠隔看護実践研究センター」を設置し、研究・教育の拠点を形成した。医療的ケア実践においては、筑波大学附属病院内に既設されている「臨床看護教育センター」との連携を強化し、連携のためのコンソーシアムを確立した。また遠隔看護で用いるバイタルセンシング技術の開発者として、学内の情報システム分野の研究者および産業技術総合研究所との連携を図った。要となる情報部門は、システムエンジニアを雇用し、筑波大学医学地区の情報インフラを管理・運営組織の構築を行った。遠隔看護システムの実践に向けた基盤システムの開発(Care-Link)を行い、実証実験に向けた準備を行った。生体監視用のバイタルセンシングをアプリで簡単に測定できるようなソフト開発も行った。さらには、遠隔看護を基本ツールとして実践できるような看護師の研修教育を行っていくために、研修プログラムの構築に向けた取り組みも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度(28年度)においては、①「遠隔看護技術」を次世代の在宅医療の情報インフラとしての基盤整備と実証を行った。在宅医療を支えるための遠隔看護技術を開発していくため、医学医療系研究棟内に「遠隔看護研究実践センター」を設置し、産学官の連携体制のもとに、実践での検証のための実用化レベルでのシステム構築を行ってきた。 29年度開設予定の訪問看護ステーションを研究・教育の拠点として形成した。医療的ケア実践においては、筑波大学附属病院内に既設されている「臨床看護教育センター」との連携を強化する方向で調整した。また、社会医学的な側面の基盤形成を目的に、実践的検証を行う予定となる訪問看護ステーションの開設地区の特性の把握を行った。さらに遠隔看護で用いるバイタルセンシング技術の開発者として、学内の情報システム分野の研究者および産業技術総合研究所との連携を図り、実用化に向けた検討も行った。
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今後の研究の推進方策 |
29年度に行う予定であった遠隔看護の提供者・管理者に必要な教育プログラムの作成・実施と評価法の一部を28年度に行った。遠隔看護を実施するためには、看護学のみならず、情報科学やコンピュータサイエンスなど、最低3種類の基礎学を学ぶ必要がある。そのためのカリキュラムの立案と、それらを教育する人材が必要となる。遠隔看護を用いた訪問看護ステーションの開設に向け、それらの人材育成を一刻も早く進めねばならない。そのためには、どのような能力が必要であるかの調査研究はすでに済ませている。 研究代表者の所属では、システム情報科学を専門とする教育分野が有り、教育を行う人材や施設などが充分に整っている。遠隔看護技術を提供するために必要とされる科目や内容などの検討を行い、それらを効果的に学ぶことのできるカリキュラムを構成し、一定の教育を受けた者たちが、実際に技術を提供できる仕組みを構築していく予定である。 29年度は、研究期間内に訪問看護ステーションの開設に向け、そこで働く看護師への遠隔看護教育カリキュラムを構築し、現任教育を実施するとともに、看護基礎教育においても反映できるような方向性で検討を行っていく。必要十分な教育を受けた専門家による実施は必須事項である。
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