研究課題
基盤研究(B)
ヒトの運動学習においては,環境変化に対し運動パターンを変化させる運動系の学習が注目される.ところが,同時に使用される感覚系の一部にも学習が起こり得ることがヒトの腕の到達運動で報告されていた.本研究では,このような運動系と感覚系の共学習がヒトの平衡制御にも起こると仮説を立て,それを発現しうる実験方法を確立した.さらに平衡制御時のヒトの振舞いを説明しうる制御モデルを構築し,ロボットにより再現させた.
知能ロボティクス
通常われわれがセンサを利用するとき,最初に所定の物理量が正しく出力できるように初期設定/キャリブレーションを行い,その設定を維持したまま利用し続ける.しかし,本研究で取り扱うヒトの振舞いは,運動を学習しながらセンサ系も微調節を行っていることを示唆している.この発見は,今後ヒトに似た振舞いをする親しみやすいロボットの実現に貢献するだけでなく,ヒトの運動系・感覚系がどのような仕組みで機能しているのかを理解する上で重要な情報を提供する.