研究課題/領域番号 |
16H03067
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
谷口 哲也 日本大学, 医学部, 准教授 (10383556)
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研究分担者 |
吉冨 賢太郎 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 准教授 (10305609)
白井 詩沙香 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教 (30757430)
福井 哲夫 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70218890)
中村 泰之 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (70273208)
川添 充 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10295735)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | eラーニング / STACK / 数式入力インタフェース |
研究実績の概要 |
MeLQS サーバ上で扱うeラーニング用の問題の設計を、問題仕様書(Concept Design)と実装仕様書(Implementation Specification)の二段階式にすることと定め、問題仕様書の雛形を作成した。問題仕様書とは、数学の問題そのものの仕様を記述したもので、オンラインテストに限らない数学問題作成の基礎となるものである。実装仕様書とは、問題仕様書をもととしたオンラインテスト用の仕様書であり、この実装仕様書から各システム向けの問題フォーマットへと変換される。さらに、次年度のデータベース開発の準備として、仕様書をデータベース化するためのデータベースシステムの検討を行った。
MeLQS サーバにおける数式入力インターフェース関連の概要とて以下の内容を行った。平成28年4月から6月において、MathTOUCHのユーザビリティに関するユーザ意見を集めるべく、Webサイトに数式入力の試作システムを公開した。この成果をICME-13で発表した。平成28年7月から8月において、MathTOUCHを多種ある数式自動採点システムの統一的数式入力インタフェースとするために、出力機能の拡張を行い、その成果をPCカンファレンスで発表した。平成28年4月から9月において、MathTOUCHとオンラインシステムとの親和性を高めるためにJavaScript化を行い、実際に数式自動採点システムのひとつであるSTACKに実装し、被験者実験によってその有用性を検証し、9月のEAMSカンファレンスで発表した。その成果は論文誌「MSOR Connections」に掲載された。平成28年9月から12月において、MathTOUCHのインテリジェント化を図るために機械学習アルゴリズムを実装し、被験者実験により有用性を検証した。この結果を、3月に情報処理学会139回CE研究発表会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、大きく4つの課題に取り組んできた。 一つ目の課題は、MeLQS サーバ上で扱うeラーニング用の問題の設計である。その設計を問題仕様書(Concept Design)と実装仕様書(Implementation Specification)の二段階式にすることと定め、問題仕様書の雛形を作成した。 二つ目の課題は、多種ある数式自動採点システムの統一的解答を支援するためにMathTOUCHの出力形式を拡張することである。これについては、代表的な数式自動採点システムであるMapleとMath on Webの出力形式であるMapleとMathematicaの出力機能を実装することができた。 三つ目の課題は、MathTOUCHとオンラインシステムとの親和性の向上である。そのために、Javaで開発されたMathTOUCHをJavaScriptに書き換え、被験者実験により動作確認を行い、従来システムと変わらず、安定して利用することができることを確認した。 四つ目の課題は、MathTOUCHのインテリジェント化で、機械学習技術を応用した数式予測アルゴリズム(ベスト10まで含めると85.2%)を実装である。これについては、実際に数式自動採点システムSTACK上で被験者実験を行い、従来方式に比べ、1.2~1.6倍速く数式入力ができることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
問題仕様書および実装仕様書の項目や様式については継続的に議論を行い、適宜修正・アップデートを行う。仕様書を蓄積しデータベース化するために、まず問題仕様書を手軽に作成・収集するオンラインシステムを2017年度中に開発し、データベースの構築に着手する。
MeLQSの仕様が確定しつつあるため、それに合わせてMathTOUCHを組み込んだエディタの開発を順次行って行く。このエディタがMeLQSシステムの問題作成部分のエディタとなっていく。2017年度前半は、MathTOUCHを組み込んだエディタの開発を行い、被験者実験により有用性を検証する。今年度後半は、MeLQSシステムにエディタを組み込む作業を行っていく。
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