研究課題/領域番号 |
16H03091
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石原 孝二 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30291991)
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研究分担者 |
斉藤 環 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40521183)
黒木 俊秀 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (60215093)
糸川 昌成 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 病院等連携研究センター長 (40332324)
鈴木 晃仁 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (80296730)
北中 淳子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (20383945)
浦野 茂 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (80347830)
河野 哲也 立教大学, 文学部, 教授 (60384715)
熊谷 晋一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (00574659)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 精神医学 / オープンダイアローグ / トリエステモデル / リカバリーカレッジ / 当事者研究 |
研究実績の概要 |
本研究は精神医学における対話的アプローチ(フィンランドのオープンダイアローグとイタリアのトリエステモデル、英国のリカバリーカレッジ)が精神医学や関連領域に与える影響を評価し、精神医学の社会的基盤を問い直すことを目的としている。2016年度は各研究メンバーが担当テーマに関する基礎的な研究をそれぞれ進めるとともに、「精神医学の社会的基盤」研究会を開催した。研究会では研究メンバーによるクローズドの会のほか、外部の専門家を招いたオープンな研究会も開催し、オープンダイアローグの思想的基盤、イタリアの司法精神医療制度、多文化精神医学、妄想の間主観性などをテーマとして討論を行った。また、オープンダイアローグの開発が行われたフィンランド・ケロプダス病院の視察研修を行うとともに、関連するアプローチとして、ACT(Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援)の視察を行った。雑誌論文・学会発表・書籍による成果発表では、トリエステモデルとオープンダイアローグの比較、双極性障害の概念史、精神医学と当事者の関係の明確化、当事者研究の意義などに関する考察の結果が成果として発表された。また、リカバリーカレッジの研究を進めている研究グループと連携し、リカバリーカレッジに関するワークショップの開催の準備を進めたほか、国際学会におけるオープンダイアローグと当事者研究に関するシンポジウムの企画を進め、シンポジウムの提案を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年度の調査研究によりオープンダイアローグの検討については一定の進展が見られたほか、トリエステモデルの分析に関しても一定の進展がみられた。オープンダイアローグ、リカバリーカレッジに関するワークショップや国際学会におけるシンポジウムの準備も進められた。2016年度は1年目であり、雑誌論文の件数はまだ多くないが、学会発表は活発に行われている。次年度以降の研究計画も進められており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度以降はリカバリーカレッジとイタリアの精神科医療に関する調査研究を進めるとともに、オープンダイアローグに関する検討も深める。また、精神医学・精神科医療、福祉分野における他のアプローチとの比較検討も進めながら、精神医学・精神科医療全般の現状と将来像に関する検討も進めていく。
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