研究分担者 |
中 真生 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (00401159)
稲原 美苗 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00645997)
石原 孝二 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30291991)
小手川 正二郎 國學院大學, 文学部, 准教授 (30728142)
中澤 瞳 (齋藤瞳) 日本大学, 通信教育部, 准教授 (30756010)
池田 喬 明治大学, 文学部, 専任准教授 (70588839)
筒井 晴香 玉川大学, 教育学部, 非常勤講師 (90760489)
川崎 唯史 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 流動研究員 (90814731)
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研究実績の概要 |
本研究は、北欧現象学者との交流の特徴を人間の傷つきやすさと有限性に着目した現象学の動向として捉え、誕生、老い、病い、死、障がい、痛み、性といった問題の広がりを現象学的に考察する共同研究を行うことを目的とし、平成30年度は、「死」を共同研究の射程に据えて、それにまつわる誕生と死、老いと死、病いと死、障がいと死 、痛みと死、性と死、看取りといった諸問題に焦点を当てた。最終年度となるので、これまでの共同研究の成果を研究分担者全員がそれぞれの立場から公表・公開する作業へ比重を移して行った。 4月の北欧現象学会に3人を派遣することから始まり、8月に北京で開催された世界哲学会では “THE PHENOMENOLOGY OF VULNERABILITY: BIRTH, AGING, AND DEATH”と “TRANS-CULTURAL PHENOMENOLOGY OF RACE”という二つのラウンドテーブルを組織した。それらの機会を通じて、北欧諸国に共同研究の輪を広げたのみならず、東欧、中国、米国、豪州にも関心を共有する研究者がいることが分かり、その後、ベラルーシ、リトアニア、ロシアでも研究発表・学術交流を機会を作ることができた。 国内の研究会も通算で第7回から第10回まで4回開催し、広く関心をもつ研究者を集めるとともに、それぞれの研究成果についてお互いに意見交換をすることができ、それをもとに研究成果報告書として論文集(非公開)を制作し、それにより近い将来に研究成果をまとめた書物を刊行するための交渉を出版社と始めることができた。 本研究成果は、当事者の視点から考察を始めることで、医学モデルでも社会モデルでもこぼれ落ちてしまう現象を現象学的に解明し、ひいては、超高齢社会、少子化、男女共同参画といった現代社会の諸問題の解明にも貢献することが期待できる。
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