研究課題/領域番号 |
16H03428
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
島田 雅晴 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30254890)
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研究分担者 |
長野 明子 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90407883)
三上 傑 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (60706795)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 文末詞 / 焦点 / 方言 / 三層モデル / 日英比較統語論 |
研究実績の概要 |
普遍文法研究の枠内で日英語のmirative形態素特定の研究を行った。文献調査と福岡方言実地調査を中心に進めた。特に、福岡方言調査では福岡市シルバー人材センターの協力を得て、焦点に関わる文末不変化詞「たい」、「ばい」や相に関わる形態素「とう」、「よう」などについて多くの貴重なデータを収集することができた。しかも、シルバー人材センターとの共同作業は、地元テレビ局全局から取材を受け、ローカルニュース等で紹介された。言語研究と社会の距離を近づける成果を得たといえる。 研究成果の一部は、まず、島田と長野の共同研究として、6月にチェコで開催された「Olomouc Linguistic Colloquium 2016 (Olinco 2016)」、同じく6月にフランスで開催された「Workshop on Aspect and Argument Structure of Adjectives and Participles (WAASAP III)」で発表された。9月にはつくば国際会議場で島田と長野がオーガナイザーとして言語学ワークショップ「三層モデルでみえてくる言語の機能としくみ」を開催し、その中で長野が福岡方言について研究発表をした。さらに、長野は福岡方言に関する論文を2編を公刊した。三上は、「三層モデルでみえてくる言語の機能としくみ」のプレワークショップ、「『三層フェスタ』プレワークショップ:若手が拓く言語研究の新領域」および3月に開催された言語学ワークショップ、「日本語統語論研究の広がり―理論と記述の相互関係―」で研究成果の一部を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に関わる言語学ワークショップ「三層モデルでみえてくる言語の機能としくみ」およびそのプレワークショップである「『三層フェスタ』プレワークショップ:若手が拓く言語研究の新領域」を実施し、その中で研究成果を長野、三上が発表することができた。また、本研究遂行に必要な方言実地調査をシルバー人材センターの協力のもと円滑にすすめることができた。このような活動を通して、主に日本語のmirative形態素の研究が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、文献調査と方言実地調査を中心にして、mirative形態素の特定と理論研究を進める。方言調査は今年度の反省点を踏まえて調査の範囲を広げ、さらに充実させていく。また、今年度の発表内容をもとにして研究発表を行い、また、論文を執筆する。それにより、さらに分析の精度をあげていくことにする。
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