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2019 年度 実績報告書

ハーグ条約の「友好的な解決」-国際家事メディエーションをめぐる国際私法上の課題

研究課題

研究課題/領域番号 16H03550
研究機関大阪大学

研究代表者

長田 真里  大阪大学, 法学研究科, 教授 (10314436)

研究分担者 中野 俊一郎  神戸大学, 法学研究科, 教授 (30180326)
高杉 直  同志社大学, 法学部, 教授 (60243747)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードハーグ条約 / ADR / メディエーション
研究実績の概要

助成対象の最終年度である2019年度には,これまでに各研究者が行ってきた,国際家事メディエーションにかかる研究の現時点での総括を行った。すなわち,(1)メディエーション一般について,国連の作成した調停合意の承認執行にかかる国際条約(いわゆるシンガポール条約)が成立するなど,国際的にはその有用性が認識され,かつ国際的な局面での活用が求められていること,(2)日本でもメディエーション一般や国際家事メディエーションを含むADRの活用はビジネス界司法界のいずれにおいても必要とされているものの,法整備は諸外国に比して,格段に遅れており,この点への対応が喫緊の課題であること,(3)その状況の中で現時点での対応可能性としては,従前の国際民事手続法や国際私法的なアプローチを踏まえた解決策の提示とならざるを得ないことが結論として得られた。しかしながら,とくにメディエーションで得られた合意の国際的な承認執行スキームについては,従来の外国裁判の承認執行もしくは仲裁判断の承認執行といった枠組では対応しきれない部分が残っており,この点は国際家事メディエーションにかかる大きな検討課題として残る問題である。
他方,メディエーションを日本で国際家事事件に活用する際の実務的な課題として,国際的にメディエーターとして活躍しうる人材育成の問題があるところ,この点については,ドイツにおいて国際家事メディエーションを提供しており,かつ,EU域内のメディエーター養成モデルを構築したMikkから講師を呼び,本研究において継続的に人材育成の問題を解消するよう努めてきた。結果,延べ約90名の実務家が国際水準のトレーニングを受けることが出来,そのうちの数名については実際に国際水準のメディエーターとして登録できるに至っている。この点については一定の成果を得たと考えている。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [雑誌論文] 外国人間での協議離婚無効確認請求事件の国際裁判管轄2020

    • 著者名/発表者名
      中野俊一郎
    • 雑誌名

      私法判例リマークス

      巻: 60 ページ: 134-137

  • [雑誌論文] 訴訟当事者に判決の内容が了知されず又は了知する機会も実質的に与えられなかったことにより不服申立ての機会が与えられないまま確定した外国裁判所の判決に係る訴訟手続と民訴法118条3号にいう公の秩序2020

    • 著者名/発表者名
      中野俊一郎
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 156-1 ページ: 227-242

  • [雑誌論文] ハーグ子奪取条約実施法に基づく子の返還命令と人身保護請求2019

    • 著者名/発表者名
      長田真里
    • 雑誌名

      私法判例リマークス

      巻: 59 ページ: 138-141

  • [雑誌論文] 米国カリフォルニア州裁判所によるデフォルトジャッジメントの送達と民事訴訟法118条3号にいう手続的公序2019

    • 著者名/発表者名
      長田真里
    • 雑誌名

      JCAジャーナル

      巻: 66-4 ページ: 10-16

  • [雑誌論文] 国際調停に関する国際私法上の諸問題――『京都国際調停センター』と『シンガポール調停条約』の紹介を兼ねて2019

    • 著者名/発表者名
      高杉直
    • 雑誌名

      仲裁とADR

      巻: 14 ページ: 58-64

  • [雑誌論文] 国際法務人材育成の必要性と今後の課題2019

    • 著者名/発表者名
      高杉直
    • 雑誌名

      法律のひろば

      巻: 72-11 ページ: 25-30

  • [学会発表] ハーグ条約の解釈の視点から2020

    • 著者名/発表者名
      長田真里
    • 学会等名
      立命館大学修復的司法セミナー「離婚後の子の奪い合い紛争と修復的司法」
    • 招待講演
  • [学会発表] 子奪取条約の運用をめぐる諸問題2019

    • 著者名/発表者名
      長田真里
    • 学会等名
      国際私法学会
  • [学会発表] Family Mediation and International Family Mediation in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Mari NAGATA
    • 学会等名
      Modernity’s Challenge to Law and Dispute Resolution, Doshisha-Tuebingen Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] Establishment of the Japan International Mediation Centre2019

    • 著者名/発表者名
      Naoshi TAKASUGI
    • 学会等名
      The 3rd Asia-Pacific Mediation Conference
  • [学会・シンポジウム開催] Mikk国際家事メディエーター養成講座2020

  • [学会・シンポジウム開催] Family Mediation in International Context2019

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公開日: 2021-01-27  

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