研究課題
わが国の公的債務-国債金利間の逆説的な状況は、多くの研究者の関心を呼び数々の研究がなされてきた。しかし、従来の国債金利の誘導形を推計する手法では、説明変数である財政データの頻度が低く金利の変化を十分に説明できない。この状況に対し、近年、ファイナンス理論を応用し、高頻度データや新聞などのテキスト情報を活用した研究が始まっている。本研究ではこうした手法上の発展を活用しながら我が国の財政と国債金利の関係を再検討する。また、近年、低金利の発生メカニズムに関する研究も進んでおり、いわゆるホームバイアスの存在、自然災害等の巨大リスクの影響、担保価値に資する等の国債保有の特別なメリット(希少性プレミアム)等の要因が指摘されている。本研究ではこの発生メカニズムも合わせて検討することにしたい。これらのうち、2019-2021年度は日本の財政悪化が国債金利を上昇させるかについて、国際財政学会・日本経済学会で報告を行った。具体的にはテキスト分析を応用して「財政不安指数」を構築し、これを長期金利に回帰して分析を行った。データの非定常の問題に対応するためFully Modified OLSを用いて分析した結果、財政不安が1%有意で長期金利を上昇させることを確認した。現在は学会報告で受けた指摘を改善するとともに、説明変数の一部が定常(I(0))となる場合の対応を済ませ、投稿に向けた最終調整中である。なお、この研究の他、本研究課題と関連する論文を13本公表し(うち査読付き国際学術誌3本)、学会報告を13回行っている(うち国際学会10回)。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 12件)
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証券レビュー
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ゆうちょ資産研究:研究助成論文集
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公共選択
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住宅土地経済
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不動産学会誌
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