従来の準結晶の特徴は、正20面体、正12角形、正10角形または正8角形で特徴付けられる非伝統的な回転対称性であった。これらの物質の対称性および非周期性は、その構造を制御する黄金比、白銀比などの無理数比に由来していた。これまでに他の金属比タイリングは発見されていなかったが、本研究計画では、自己相似的な青銅比6回対称準結晶パターンを発見した。数値シミュレーションを用いることによって、コア・シェル構造を有するソフト高分子コロイド粒子系でこの準結晶のランダムタイリングが実現できることも明らかになった。準周期タイリングの可能性を広げた点、結晶と同じ六方対称性の準周期物質の可能性を示唆した点で意義がある。
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