研究課題/領域番号 |
16H04083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球宇宙化学
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
高野 淑識 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学プログラム), プログラム長代理 (80399815)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | メタンサイクル / メタン生成アーキア / 未培養アーキア / 始原的代謝 / 有機分子レベル追跡 |
研究成果の概要 |
研究代表者らは、温室効果ガスである「メタン」を高効率で消費(分解)する微生物から、アミノ酸中央代謝に関する生化学反応及び炭素12を選択的に濃縮した炭素同位体組成を明らかにしました。暗黒の海底下でメタンを消費する嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)呼ばれる始原的な生命の関与が、考えられています。 本研究課題では、分子レベル同位体比質量分析や放射性炭素同位体の細胞レベル加速器質量分析といった精密な化学分析を行い、ANMEの詳細な代謝機構を明らかにしました。メタンを消費する際には、炭素12と炭素13のうち炭素12を選択的に濃縮し、その結果、地球上で最も「軽い」アミノ酸を形成することが判明しました。
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自由記述の分野 |
有機地球化学・地球生命科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)メタンの温室効果は二酸化炭素の25倍であり、メタンを消費してくれるANMEは地球温暖化を防ぐための「縁の下の力持ち」と表現することができます。本研究により明らかとなったメタンの消費(分解)プロセスは、地球の気候システムの安定化に重要な役割を果たしていると考えられています。 (2)今回の成功のポイントは、先鋭的な有機分析技術です。このような開発要素は、学術的な異分野への波及に限らず、社会的な要請にも貢献しています。メタンが存在する惑星は、地球以外にもあります。今回の発見は、地球惑星科学的な観点から、将来、太陽系物質科学としてのレファレンスデータ(基準点)になると期待されています。
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