社会基盤構造物の劣化が顕著となり,その維持管理は社会的な問題となっている。鉄筋コンクリート構造物の腐食による劣化は,その最も主たる問題であり,腐食が生じたのちの残存構造性能評価は,適切な維持管理や補修方法の決定に重要である。しかし,鉄筋の腐食は鉄筋軸に沿って一様でなく分布しており,それを考慮した評価方法が必要である。本研究で構築した解析システムは,約5mmごとの腐食を直接的に導入し鉄筋コンクリート部材の残存構造性能を評価可能としている。コンピュータの性能向上に伴い,この解析システムの実構造物への適用が広がると期待できる。
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