原子力分野をはじめ多くの工学分野で実施される確率論的リスク評価を、より現実の物理現象や事象の進展に整合するように、また評価の結果が実際的なリスク管理に適用できるよう革新的進展をもたらす研究である。安全対策が適切に施される工学施設の重大な事故のリスク評価は想定を超える事象を扱う必要がある。しかし、リスク評価モデルは工学施設設計で予め規定された安全機能が喪失する確率とその影響を評価対象としてきたため、想定を超える事象への適用に限界がある。実際のシステム挙動は動的で不確かで不連続である。このようなシステム挙動にかかるリスクを評価する方法論を確立することに貢献した。
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