研究課題/領域番号 |
16H04832
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
川井 浩史 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (30161269)
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研究分担者 |
鈴木 雅大 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 特命助教 (30637088)
羽生田 岳昭 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 助教 (40379334)
廣瀬 孝太郎 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (60596427)
岡崎 裕典 九州大学, 理学研究院, 准教授 (80426288)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 海藻類 / 系統地理 / 日本海 / 最終最大氷期 / レフュジア |
研究成果の概要 |
最終最大氷期以降の日本周辺の海藻類の系統地理の解明を目的として,約10種の褐藻・紅藻を対象としてcox1, cox3,nad3-16S rDNA,tatC-tLeu遺伝子配列による系統解析と各遺伝子型の分布解析を行った。多くの種で韓国・西日本と東日本太平洋岸にそれぞれ遺伝的に近い集団が分布し,紀伊半島付近で不連続となり,最大氷期に日本沿岸に2つの隔離されたレフュジアが存在したことが示唆された。いくつかの種では日本海でも多様な遺伝子型が認められ,最終最大氷期においても日本海への対馬暖流の流入がある程度継続していた可能性が示され,この結果は浮遊性有孔虫殻の酸素同位体比による解析結果でも支持された。
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自由記述の分野 |
藻類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
氷河期などの大規模な海況の変化は,海洋生物の分布に大きな影響を与え,現在の海洋生物の分布も直接的・間接的にその影響を受けている。なかでも日本海は最大氷河期には淡水化し,ほとんどの海藻類が死滅したとされるが,化石がほとんど残らないためその詳細については不明であった。本研究は現在の海藻類の各地域集団の遺伝的多様性を解析することで,最終最大氷期の日本海の海況や,寒冷化した海で海藻類の集団が生き残った場所であるレフュジアの位置を推定することと目指したものである。本研究の結果,最終最大氷期には東日本と西日本の2カ所に独立したレフュジアがあり,また日本海でもある程度の海藻が生残していたことが示された。
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