研究課題
ヒメミカヅキモヘテロ株(他殖株)のゲノム解析より得られたCpMinus1は、性表現(接合型)を変える効果を持つ遺伝子であり、この遺伝子を異所的に発現させた+型は、-型へと性転換した。しかしこの形質転換体は、交配相手を与えない場合でも、ごく弱い生殖反応を示したことから、CpMinus1に加えて、完全な性転換には別の遺伝子の作用が必要と示唆された。そこで本研究では、性染色体様領域を特定し、座乗する遺伝子の特定と機能確認、CpMinus1との関係解明を行うことを目的とした。一方、ヒメミカヅキモには、CpMinus1遺伝子をもつホモ株(自殖株)が存在しているが、ヘテロ、ホモという生殖様式の切換が生じた遺伝的背景を解明することを第2の目的とした。これまでの解析では、マイナス型株のCpMinus1を含む性染色体様領域が短く、プラス株の性染色体様領域を確定には至っていなかった。そこで、子孫株のゲノムデータを用いて、性表現とリンクする、プラス型またはマイナス型特異的なゲノム領域の特定を目指したところ、マイナス型特異的なゲノム領域を新たに複数見出し、その合計長は約2 Mbにおよんだ。この情報からCpMinus1の機能を補助する第2の性決定遺伝子を探索する基盤が整った。一方、プラス型特異的な領域は見られなかった。ホモ株と近縁なヘテロ株のゲノム比較の結果、少なくとも一つのホモ株では、2種類のヘテロ交配群のゲノムを併せ持っていることが判明し、何らかの理由で生じた交配群間での接合子からホモ株が生じたことが強く示唆された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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