炎症性疾患やアレルギー疾患の患者数は増加傾向にあり、多角的な治療戦略の開発が期待されている。既存の治療薬として副腎皮質ステロイドなどの副作用を伴う薬剤や、薬価の高い生物学的製剤などがあげられるが、これらに替わる新薬の開発や、既存薬の再開発は重要な課題である。我々がGATA因子阻害剤として見出したミトキサントロンは、抗腫瘍薬として用いられてきた既存薬である。従ってヒトへの使用は可能であり、医療経済的にも問題は少ない。我々が示してきたようにミトキサントロンが顕著な抗炎症効果をみせることから、その適応を拡大し、新規作用機序による抗炎症薬、抗アレルギー薬として用いることも可能になってくると考えている。
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