本研究では、虚血性心疾患の病状(虚血状態・心筋viability)の正確な診断に重要であるPET核医学血流イメージングで利用可能な新規18F標識薬剤(18F-TAP)の開発に取り組んだ。まず、非標識体の合成検討で20種類のTAP誘導体の合成に成功し、そのうち18化合物について、実際に18F標識体を合成することができた。体内分布実験による各化合物の動態性を比較した結果、18F-TAP-Xが高い心集積性と選択性を示した。18F-TAP-Xは、心筋細胞にミトコンドリア膜電位依存的に集積し、動物PETにおいては心筋を明瞭に画像化できた。以上より、目的とする心筋イメージング剤の開発に成功した。
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