研究課題/領域番号 |
16H05396
|
研究機関 | 一般財団法人脳神経疾患研究所 |
研究代表者 |
石渡 喜一 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北創薬・サイクロトロン研究所, 所長 (50143037)
|
研究分担者 |
坂田 宗之 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00403329)
鷺野谷 利幸 一般財団法人脳神経疾患研究所, PETセンター, センター長 (10274903)
片山 宗一 一般財団法人脳神経疾患研究所, 神経疾患研究所, 所長 (20049133)
豊原 潤 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50425659)
石橋 賢士 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50469962)
三品 雅洋 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (70322518)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | アデノシンA2A受容体 / ポジトロンCT / 初期臨床試験 / パーキンソン病 |
研究実績の概要 |
高齢化社会における認知症やパーキンソン症候群を初めとする様々な脳疾患の診断・病態解明、それらの治療評価法や治療薬の開発等のために、PET等による分子イメージング研究に期待が大きい。アデノシンA2A受容体を画像化する新規開発プローブ[11C]preladenantのファーストインヒューマン研究として、本年は健常者14例とパーキンソン病患者3例で以下の計測を実施した。 東京都健康長寿医療センターにおいて、[11C]preladenantの健常者9名での初期臨床試験を行い、[11C]preladenantの安全性、有効性ならびに内部被曝線量評価を行なった。初期臨床試験の結果、全検査9例において有害事象は認められなかった。アデノシンA2A受容体密度を反映する[11C]preladenantの結合能(BPND)は、文献報告されている健常者死後脳のA2A受容体の分布とよく一致した。[11C]Preladenantの全身PET計測から求めた実効線量は平均3.7μSv/MBqであった。 パーキンソン病治療薬のノウリアスト内服の前後に [11C]preladenant PET検査を行った。パーキンソン病患者2名ではウリアスト40㎎内服、1名では20㎎内服の前後、健常者対象群5名では内服なしで2回のPET検査を実施した。次年度以降に症例を追加して、前後2回の結合能を比較する。 脳神経疾患研究所では、[11C]preladenant の合成体制が整備して合成試験を行い、PET薬剤審査委員会で臨床使用が承認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者を対象とした[11C]preladenantの安全性と有効性に関する初期臨床試験は予定どおり完了し、2年目以降を予定していた患者を対象とする試験も開始された。 脳神経疾患研究所では、[11C]preladenant の合成体制が整備され、臨床使用の承認が得られた。 今後、[11C]preladenant PETが脳神経疾患研究の新たなツールとして利用されることが期待される。
|
今後の研究の推進方策 |
東京都健康長寿医療センターにおいて、パーキンソン病の治療薬内服前後のPET計測を継続するとともに、未治療でのアデノシンA2A受容体を測定を開始する。 脳神経疾患研究所でも、[11C]preladenant PET計測を健常者とパーキンソン病患者で開始する予定である。
|